就業規則には退職は数か月前に申告することと記載があるが、即日退職できますか?
💡 〈サクッと結論!〉
- ✅ 就業規則は会社内でのルールであり、退職に関しては法律(民法など)が優先されます。
- ✅ 退職申告期間は法律上最短14日で可能ですが、有期雇用契約の場合は「やむを得ない事由」が必要です。
- ✅ 弁護士や弁護士対応の労働組合による退職代行を利用することで、法律に則った手続きをスムーズに行えます。
退職を考えられている方のなかには、「就業規則には退職する場合は〇〇か月前に申告する必要があると書かれているが、もっと早く辞めたい」「出来ることなら明日から会社に行きたくない」という心境で退職代行サービスを検討されている方も多いのではないでしょうか。
では、退職代行を利用することにより就業規則で定められた期間よりも早く、即日退職することは可能なのでしょうか。
結論から申し上げますと、退職代行を使って即日退職することは可能です。
法律では退職希望者は退職日の2週間前までに意思を伝えることが求められますが、実際には即日退職が可能なケースも多くあります。これは有給休暇の消化を利用し、退職代行業者から会社に連絡するその日から有給休暇を取得して2週間後に退職することで、会社に連絡した日から出社する必要がなくなるからです。
そのため、仕事や職場に耐えられない程の苦痛を感じられている方は、退職代行サービスを利用して退職することを検討されるのもよいかもしれません。本記事では、退職代行を使って即日退職が実際に可能かどうか、リスクは存在するのかといった情報を提供し、弁護士や労働組合による信頼できる退職代行サービスについてもご紹介いたします。
★ 就業規則について
就業規則とは労働者の賃金や労働時間といった労働条件に関する事項や、退職に関する事項、職場内の規律などについて定めた規則集のことです。いわば職場のルールブックとも呼ぶべき存在で、使用者と労働者は共に就業規則を遵守する必要があります。
企業が作成した就業規則は所轄労働基準監督署に届出を行い、さらに従業員に対してその内容を周知させることで初めて有効となります。特に周知に関しては必須とされており、たとえ届出を行っていても、従業員に周知されていなければ無効とみなされます。
常時10人以上の従業員を雇用する使用者は、労働基準法第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届け出ることが義務づけられています。
参照:労働基準法89条(e-GOV 法令検索)
会社の就業規則の退職に関する事項には「退職する場合、数ヶ月前に申告する必要がある」と記載されていることがあります。ルールである就業規則を違反することによって、「懲戒解雇にならないか?」「損害賠償請求されないか?」ということを心配されている方も多くいらっしゃると思われます。当組合におけるご相談内容のなかでも、懲戒解雇と損害賠償請求についてのご相談は常にトップ3に入るほど多くの方が不安に思われています。
結論から申し上げますと、退職代行を使って退職することにより懲戒解雇や損害賠償請求のおおそれはほとんどなく、就業規則に定められた期間よりも早く即日退職が可能です。就業規則に「退職する場合、数ヶ月前に申告する必要がある」と記載があったとしても退職に関しては法律が優先されるのです。就業規則はあくまでも会社内でのルールであり法律ではございません。
★ 退職についての法律上の権利について
まず退職を会社に伝える時期ですが、民法では無期雇用労働者(正社員)については2週間前に伝えれば良いという決まりがあります。
実際に日本の民法第627条には「労働者は、予告期間を守ることにより、いつでも労働契約を解除することができる」と規定されています。通常の予告期間は2週間とされており、この期間を守れば会社が就業規則で定めた期間よりも短い場合でも法律的には問題ありません。
当組合が依頼を受けた場合、当組合が民法に沿って会社とお話ししますので就業規則を気にななさる必要はありません。ただ、貴方自身が法律のことを会社にお話しすると逆上される恐れがあります。当組合からお伝えする事でほとんどの会社は納得されますのでご安心ください。
【民法第627条 第1項】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
★ 退職代行を利用して即日退職する際の雇用形態における注意点
労働者には退職の自由があり、法律的に会社側はそれを阻止できません。従って、退職代行サービスを利用する場合、会社は基本的に退職の意思を尊重しなければなりません。
法律では退職までに必要な期間は2週間と定められており、就業規則で「1か月前に退職の意志を伝える」といったルールがあっても法律が優先されますので心配は無用です。
⚠️ ただし、雇用期間が定められていない場合(正社員など)のみ2週間の期間が適用されます。契約社員や一部の派遣社員は例外となりますので注意が必要です。
有期雇用契約の場合、原則として契約期間終了まで勤務が求められますが、病気やケガ、親の介護など「やむを得ない事由」があれば、期間前でもすぐに退職が可能となります。
★ 退職代行を利用した退職の流れと実質的な退職日
実質的な即日退職を実現するには、有給休暇の利用が鍵となります。
退職を申し入れる際、10日以上の有給休暇が残っていれば退職が成立するまで出社しなくても問題ありません。退職時に有給休暇を利用するのは会社が拒否できない権利であり、通常業務に支障がある場合でも、退職時には会社は「有給休暇時季変更権」の行使はできません(労働基準法第39条5項)。
・有給休暇がない、または足りない場合は?
入社後間もなくで有給休暇がない場合や十分な日数が残っていない場合でも、当組合が退職を会社に伝える日から、本人は会社に出社する必要はありません。
退職日については、当組合が職場に伝えて有給がない場合はその日の即日退職、有給が残っている場合は有給を全て消化した日の退職を求めます。もし会社が承諾しない場合でも、当組合が退職を伝えた日から退職が成立する日まで、本人は「欠勤」することになります。
法律上は14日間の拘束力がありますが、退職希望者にお金を払ってまで(あるいは無断欠勤扱いのまま席を置いてまで)出社させる会社はほとんどないため、即日退職や全有給消化後の即日退職が一般的です。退職日は会社との交渉によりますが、当組合が退職を伝えた日から本人は会社に行かなくても問題ありません。
★ 退職代行を利用して退職する際のリスク
法的に認められるかどうかは別にして、ワンマンな経営者によるものや、単なる嫌がらせが目的で懲戒解雇や損害賠償請求を主張してくる会社は実際に存在します。以下のようなリスクに注意が必要です。
① 会社からの反論や交渉の申し入れに対応できない業者がある
民間企業が提供するサービス(弁護士監修と記載されているものなど)は費用が抑えられますが、非弁行為にあたるため会社との交渉は一切できませんし、法的なトラブルにも対応できません。会社側がこれを知っている場合、あえて反論や交渉を申し入れることで業者を排除しようとする可能性があります。
② 違法な悪徳業者もいる
退職代行業者のなかには、資格がないにもかかわらず平然と会社との交渉や法律相談を行ったり、家族に成りすまして会社に連絡をするなどの不正な手段を取る業者も存在します。個人情報の漏洩リスクや、不透明な追加手数料を請求されるおそれもあります。
③ 会社から「懲戒解雇」といわれる
労働契約法第15条により、懲戒解雇が成立するのは「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当だと認められる場合(犯罪行為や2週間以上の無断欠勤など)」に限られます。就業規則に違反するだけで懲戒解雇が可能だと誤解している経営者が多いため、処分を受ける可能性はゼロではありません。放置しておくと転職活動等でデメリットになることがあります。
④ 会社から「損害賠償請求をする」といわれる
通常、故意の損害や機密情報漏洩がない限り、退職代行を利用したことによる損害賠償請求はほとんど起こりません。しかし、経営者の気質や嫌がらせ目的で、労働法に詳しくない顧問弁護士から内容証明が送られてくるケースが実際にございます。
★ 退職代行サービスを利用して、退職時のリスクを回避する
トラブルを回避するためには、ご自身の現状に合わせて適切な業者を選ぶ必要があります。料金設定やサービス内容が不透明な業者は避けましょう。
退職代行業者は大きく3つのタイプに分類されます。
| 業者の種類 | 特徴とメリット・デメリット |
|---|---|
| 弁護士事務所による代行 | 会社との交渉や法的トラブルに対応できるため安全ですが、費用は10万円以上と高額です。また、有給消化や退職金請求時に成功報酬を取られることが多いため、事前の確認が必須です。 |
| 労働組合の代行 | 価格は3万円以下と手頃で、団結権や団体交渉権を利用して会社と交渉が可能です。ただし、裁判などの深い法的トラブルそのものへの対応が難しいデメリットがあります。 |
| 民間企業が提供するサービス (弁護士監修など) |
費用は安価に抑えられる傾向がありますが、会社との交渉は一切できず、法的なトラブルにも対応できません。 |
しかし、弁護士と労働組合のダブル対応を行う「退職代行テミス」では、無料で弁護士や司法書士をご紹介することが可能です。万が一、懲戒解雇処分や損害賠償を主張された場合でも、弁護士が会社に撤回を求めることでほとんどのケースで解決が可能です。
★ まとめ
退職代行を利用すれば、出社せずに会社と直接連絡を取らずに即日退職することが可能です。就業規則にどのような期間が書かれていても、優先されるのは法律(民法)です。
ただし、会社側の誤解による懲戒解雇や損害賠償の主張といったリスクも存在するため、透明性のある料金設定やサービス内容を提供している適切な業者を選ぶことが重要です。
当組合による弁護士と労働組合のダブル対応を行うサービスを利用することで、懲戒解雇撤回の交渉や資料開示請求が可能となり、ほとんどのケースで安全に解決が可能です。法律に基づいた手続きを遵守することで、就業規則の縛りに関係なく、最長でも14日以内、実質その日からの円満な退職を目指すことができます。
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