給与の支払いがなかった場合に請求してもらうことは可能ですか?
💡 〈サクッと結論!〉
- ✅ 労働基準法により、会社は退職の方法に関係なく労働者に給与を支払う義務がある
- ✅ 働いた対価である給与の受け取りは労働者の正当な権利であり、法律でも厳格に守られている
- ✅ 万が一の未払いも、退職代行(弁護士・労働組合)、労基署、各種法的手続きの活用で解決可能
退職代行を利用して辞めても、これまできちんと働いた分の給与が支給されるのか不安に思われている方も多いのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、退職代行を利用しても問題なく給与を受け取ることができます。給与の受け取りは労働者の正当な権利です。
しかし、中小企業や個人事業主などの場合、退職代行を使われた腹いせに「給料を支払わない」といった嫌がらせをしてくる悪質な会社も少なからず存在します。その場合、一般的な民間の退職代行サポートでは対応が難しいため、適切なサービス選びが重要になります。
★ 退職代行の種類と給与トラブルへの対応力
退職代行サービスには、大きく分けて「弁護士事務所」「労働組合」「民間企業」の3種類があり、給与の督促や交渉ができる範囲が法律(非弁行為の禁止)によって決まっています。
| 代行主体の種類 | 特徴・メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 弁護士事務所 | あらゆる法的なトラブル・訴訟に対応可能。未払い請求の確実性が最も高い。 | 費用が高額になりやすい。残業代や退職金請求時に成功報酬が発生することがある。 |
| 労働組合 | 憲法の団体交渉権に基づき、会社側との給与一括振込などの交渉が可能。費用も手頃(3万円以下目安)。 | 裁判や差し押さえなどの本格的な「法廷闘争(民事訴訟)」そのものの代理人はできない。 |
| 民間企業 (弁護士監修含む) |
価格が最も安いことが多い。退職の意思を代わりに伝えるだけなら可能。 | 会社との交渉は一切不可(非弁行為となるため)。給与督促の交渉もできない。 |
そのため、退職代行を利用する際に給料の未払いや嫌がらせが心配される場合は、最初から弁護士か労働組合による退職代行サービスを選ぶ必要があります。当組合であれば、万が一会社が支払いを拒んでも、法的根拠に基づいてしっかり交渉・請求いたしますのでご安心ください。
★ 退職代行を使っても給料が絶対にもらえる理由
会社が従業員に対して給料を支払う義務は、労働基準法第24条(賃金支払の5原則)で厳格に定められています。
労働基準法第24条(抜粋)
「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」
「急に辞めたから」「退職代行を使われたのが気に入らないから」といった会社側の個人的な感情や都合で、給料を支払わないことは法律上絶対に許されません。これらに違反して給与を支払わなかった会社に対しては、労働基準法第120条に基づき「30万円以下の罰金」という刑事罰が科される可能性もあります。
★ 退職代行を利用した際の残りの給料の受け取り方
退職代行を使ったあと、最後の給料をどのように受け取るのかも気になるポイントです。基本的には以下のようになります。
【給与が振込の場合】
これまでの給与が口座振込だった場合は、退職代行を利用した後も、雇用契約書等に明記されている本来の給来日に通常通り振り込まれます。会社側の都合で一方的に支給を遅らせることは原則できません。
【給与が手渡しの場合 / 会社から取りに来いと言われた場合】
もともと手渡しだった場合や、会社から「最後は直接取りに来い」と嫌がらせのように指示されるケースがあります。労働基準法上、手渡し自体は違法ではありませんが、退職代行を使っている状況で会社に出向くのは精神的にも難しいはずです。
労働組合や弁護士の退職代行であれば、あなたに代わって会社へ「最後の給与も銀行振込にするよう」要望を伝えることができます。多くの会社はトラブルを避けるために振込に応じてくれます。(※ただし、雇用契約書等に『最後の給与は手渡しとする』と最初から明記されている場合は、応じる必要があるケースもございます)。
★ 会社が給与を支払ってくれなかったときの対応策
万が一、退職後に給与が振り込まれなかった場合は、以下の手段を用いて未払い賃金を請求・回収していくことになります。それぞれの特徴に合わせて適切な方法を選びましょう。
- ① 会社にご自身で問い合わせをする(メール推奨)
単なる手続きの漏れや振込エラーの可能性もあります。まずは負担の少ないメール等で確認しましょう。「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、履歴が残るメールやLINEを使うのがポイントです。 - ② 会社に内容証明郵便を送る
「いつ、誰が、どのような内容の請求を行ったか」を日本郵便が公的に証明してくれる郵便です。会社に強いプレッシャーを与えられますが、内容証明郵便そのものに強制執行などの法的強制力はありません。 - ③ 労働組合のサポートを活用する
労働組合法第7条に基づき、組合は労働者の代理として会社と直接交渉できます。退職代行の段階からワンストップで未払い給与の支払い交渉を任せられるため、最もスムーズな解決が期待できます。 - ④ 労働基準監督署への申告
給与未払いの確実な証拠を揃えて申告すれば、労基署から会社へ指導・勧告を行ってもらえます。ただし、証拠が不十分な場合や、民事上の深刻な争いがある場合は動いてくれないケースもあります。 - ⑤ 労働審判(スピード解決を目指す場合)
裁判所で行う簡易的な手続きです。原則3回以内の審理で終了するため迅速に解決します。出された審判には裁判上の和解と同じ強い効力(差し押さえ等の強制執行が可能)があります。 - ⑥ 少額訴訟(60万円以下の請求の場合)
簡易裁判所で行う、原則1回で審理が終わる特別な裁判です。請求金額が60万円以下の場合に利用でき、手続きが比較的簡単でスピーディーな解決が目指せます。 - ⑦ 民事訴訟(通常の裁判)
未払い額が大きく、遅延損害金も含めて確実に回収したい場合の最終手段です。ただし、判決まで1〜2年ほどかかることが多く、弁護士費用や裁判費用のコストも考慮する必要があります。
★ 未払い給与を請求する際の重要な3つのポイント
実際に給与の未払い請求を進める際は、以下の3点に注意して準備を行いましょう。
1. 未払い額を正確に計算する
雇用契約書や労働条件通知書に記載された基本給と、実際の勤務日数・時間を照らし合わせ、いくら未払いがあるかを明確にします。残業代の未払いがある場合は、割増賃金の計算も必要です。
2. 客観的な「証拠」を事前に集めておく
口頭だけで請求しても会社や公的機関は動いてくれません。退職前にできるだけ以下の証拠を確保し、手元に控えておきましょう。
- 支払われるべき金額の証拠:雇用契約書、労働条件通知書、就業規則・賃金規定
- 実際の支給状況の証拠:給与明細書、源泉徴収票、通帳のコピー
- 実際の勤務状況の証拠:タイムカード、シフト表、業務日報、業務メール、PCのログイン履歴
3. 時効(3年)が成立する前に動く
労働基準法第115条により、給与(賃金請求権)の消滅時効は現在「3年間」となっています。退職してから3年が経過すると、法律上請求できなくなってしまうため、未払いが発生したらすぐに請求手続きを進めることが大切です。
★ まとめ
退職代行を利用して会社を辞める場合であっても、働いた期間の給与を受け取る権利は100%守られています。また、退職時に有給休暇を消化する場合、その有給期間中に発生する給与(有給手当)についても同様に会社へ支払いを求めることが可能です。
「即日退職なら給料は出さない」「代行を使うなら払わない」といった会社の脅しに屈する必要は一切ありません。もし給与トラブルが予想されるのであれば、会社との交渉権を持つ労働組合や弁護士の退職代行サービスを頼るのが最も安心です。
「最後まで給料が振り込まれるか不安」「手渡しだと言われて困っている」といったお悩みも、
当組合がスムーズな退職と正当な給与の受領に向けて全力で会社側と交渉・サポートいたします。
一人で悩まず、まずはどうぞお気軽にご相談ください。
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