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会社都合で退職したいのですが会社に交渉は可能ですか?
2026.05.30 ・ 編集部 ・ 退職代行/基礎知識 約12分で読めます

会社都合で退職したいのですが会社に交渉は可能ですか?

💡 〈サクッと結論!〉

  • 退職代行を利用して会社都合退職の交渉を行うことは可能だが、最終的な判断はハローワークが行う
  • ハローワークに当組合の通知書を提出して説明することで会社都合退職になる可能性はかなり高まる
  • 会社都合退職が不認定ならば失業給手当受給を有利にするために特定理由離職者手続きを適切に行う

会社を辞めた後、再就職先が既に決まってらっしゃる方はよいでしょうが、決まっていらっしゃらない方にとっては会社を辞めた後の生活で金銭的な不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

失業した方が安定した生活を送りつつ、1日も早く就職するために給付される手当として雇用保険(基本手当)がございます。雇用保険(基本手当)は退職すれば必ず受けられる保険ではなく、一定の受給要件を満たした場合にのみ受給することができます。

この受給条件を満たしている中でも退職の理由によって「自己都合退職」「会社都合退職」と区別されており、失業後にもらえる失業給付金の受給額や給付期間などに違いがあります。

本記事では、退職代行を使って「会社都合退職」をすることは可能なのか、そもそも「自己都合退職」と「会社都合退職」は具体的に何が違うのか、それにより失業給付金はどう違ってくるのか、また仮に会社都合の退職が認められなかった場合に失業給付金の受給を有利にすすめる方法について詳しく説明させていただきます。


★ 退職代行を利用して会社都合で退職することは可能か

結論から申し上げますと、退職代行を利用することで会社に「会社都合退職」とするように交渉することは可能です。退職代行業者から交渉してもらうことで、会社が会社都合退職にする可能性はございます。

ここで注意点として、民間企業による退職代行サービスは会社との交渉は非弁行為となるため出来ません。団結権、団体交渉権が保障されている労働組合による退職代行か、会社との交渉はもちろん法的な問題まで対応可能な弁護士による退職代行業者を選ぶことが重要です。

💡 会社が会社都合退職と認めなかった場合は?

仮に会社側が会社都合退職と認めなかったとしても、最終的にはハローワークが退職理由を判断します。
その際に当組合から会社に送る「通知書」(会社に退職の意思を通知する書面で、退職理由などあなたの事情に合わせて作成させていただきます)をハローワークに提示し説明することで、会社都合退職になる可能性はかなり高くなります。


★ 「自己都合退職」と「会社都合退職」の違い

まず違いとしましては、下記のように退職の理由が挙げられます。

【自己都合退職】

「自己都合退職」はご本人様が希望をして退職する場合となります。一般的には多くの退職者が自己都合退職に当てはまります。結婚や介護、転居や病気やケガの療養による退職はもちろんですが、転職する場合なども自己都合退職となります。

【会社都合退職】

「会社都合退職」は退職を余儀なくされる場合です。会社の経営破綻や業績悪化に伴って人員整理が行われ、一方的な労働契約解除をされるケースが一般的になります。また、退職勧奨や希望退職に応じた場合や何かしらのハラスメントの被害を受けた場合、勤務地の移転などによって通勤することが難しくなった場合などのように、自分の意思に反して退職せざるを得なくなったケースも含まれます。

📌 一般的な会社都合退職の理由
  • 倒産、大量のリストラ
  • 解雇(懲戒解雇などの自己の責めに帰すべき重大な理由での解雇は除く)
  • 職場の上司や同僚などからのハラスメント
  • 労働契約書や雇用契約書に明示されていた勤務条件が著しく違っていた
  • 賃金の大幅な減少や未払い
  • 会社からの退職勧奨を受けた(早期退職優遇制度に応募するなどして離職したケースは含みません)
  • 有期雇用労働者の当該雇用契約が更新されない

※懲戒解雇など問題を起こして解雇となった場合は「自己都合退職」の扱いとなります。しかし、退職理由に納得いかず不当解雇の可能性が考えられる場合には会社に詳しく説明を求め、懲戒解雇の撤回を求めましょう。


★ 両者のメリット・デメリット

「自己都合退職」か「会社都合退職」によって退職後に異なる点は主に3点あります。履歴書に記載する内容・失業給付金の給付内容・退職金の支給内容です。

【自己都合退職のメリット・デメリット】

  • メリット:転職活動において履歴書の退職理由を「一身上の都合」と記載するだけで問題ございません。在籍期間が極端に短期であったり転職回数が極端に多いなどのことが無い限り、面接時に深く追求されない点がメリットです。
  • デメリット:失業給付金の支給まで最短でも2か月の給付制限があります。さらにハローワークへの申請後に最低でも7日間の待期期間を待つ必要があるため、支給は最短でも2か月+7日後からとなります。また、会社都合退職と比較すると金額が少なく、給付期間も短くなります。退職金規定がある会社では、一般的に退職金が減額される場合が多いです。

【会社都合退職のメリット・デメリット】

  • メリット:失業給付金の支給を受けるまでの期間が早い点です。給付制限期間がなく、7日間の待期期間を経て支給が開始されます。また、支給金額も多く、給付期間も最大330日と長くなっていることが大きなメリットです。
  • デメリット:転職活動において面接時に質問される事柄が増える可能性がございます。倒産など自身に理由がない場合は問題ありませんが、退職勧奨や解雇の場合は「前職でトラブルがなかったか」など深く聞かれる可能性が高く、より慎重な面接対策が必要になります。一度会社都合退職にすると経歴上ずっとつきまとうため、転職への影響を考えるとメリットばかりではありません。

★ 条件・給付内容の比較一覧

自己都合退職と会社都合退職の具体的な違いをまとめると、以下のようになります。

比較項目 自己都合退職 会社都合退職
給付制限期間 あり(2か月または3か月) なし
最短支給開始期間 2か月 + 7日 7日間(待期期間のみ)
失業給付の支給期間 90日 〜 150日 90日 〜 330日
最大支給金額の目安 約118万円 約260万円
国民健康保険税 通常納付 最長2年間 軽減措置あり
履歴書の記載内容 一身上の都合により退職 会社都合により退職

会社を辞めた後の生活に金銭的な不安がある場合、自己都合退職で2か月以上待つのは厳しいケースもあるでしょう。もしハローワークで会社都合退職と認められなかった場合でも、会社都合とほぼ同じ待遇で失業手当を受けることが可能になる「特定理由離職者制度」がございます。


★ 特定理由離職者制度を利用して受給を有利にする方法

特定理由離職者制度とは、結婚・出産、配偶者の転勤、介護、心身の傷病といった特定の正当な事由によってやむを得ず退職した場合に、失業手当の受給資格を有利に得ることができる制度です。

一般の自己都合退職より有利なポイント:
被保険者期間の短縮:通常は退職前2年間に12か月以上必要な期間が、リセットされて「1年間に6か月以上」あれば受給可能になります。
給付制限の免除:2か月の給付制限がなくなり、7日間の待期期間を経て迅速に給付が開始されます。
給付日数の拡大:一部の対象者は、年齢や条件により給付日数が90〜330日へと拡大されます。

【特定理由離職者の主な種類】

  • 結婚・出産:仕事と家庭の両立が困難になった場合(※1年以内に産休等を取得している場合を除く)。
  • 配偶者の転勤:転勤に伴い通勤が困難になった場合(※国外への転勤を除く)。
  • 介護:家族の介護をするために退職する場合(※要件は都道府県により異なります)。
  • その他の特定理由(心身の傷病など):職場の環境や健康上の理由による退職。

※該当するかどうかはハローワークの担当者がヒアリングを行い、公的書類(診断書や介護保険証など)を確認した上で判断されます。


★ 特定理由離職(心身の傷病)による受給の流れ

例として、メンタル不調や怪我などの傷病理由で退職し、特定理由離職者の認定を受ける場合の具体的な流れです。

① 退職日以前に医師の診察を受け、診断書をもらう
退職前にすでに症状があり、医師の受診をしていることが必須です。受診がない場合は証明ができません。

② 退職後に会社から離職票を受け取る
退職代行利用後に郵送されてきます。届かない場合は当組合から督促します。2週間経っても来ない場合はハローワークから請求してもらうことも可能です。お急ぎの場合は仮決定を受ける方法もあります。

③ ハローワークで手続きを行い「病状証明書」の用紙をもらう
ハローワークへ行き求職活動の申し込みをします。その際に担当者へ特定理由離職者に該当する旨を伝え、病状証明書の用紙をもらいます。

④ 病院で「病状証明書」の記入を依頼する
退職前に受診した病院で記入してもらいます(※記入日は退職日以降である必要があります)。「退職時点では就業困難だったが、現在は働く意欲と環境がある」という内容の記載が必要です。

⑤ 雇用保険説明会に出席し、病状証明書を提出する
書類が認められると、離職理由コードが「40(自己都合)」から「33(正当な理由のある自己都合)」に変更され、給付制限が免除されます。

⑥ 7日間の待期期間完了後、失業手当の支給が開始
そのあとは通常の認定日にハローワークへ行き、失業認定を受けることで手当が振り込まれます。初回振込は手続きから約4週間後となるため、早めの手続きを推奨します。

★ まとめ

労働組合や弁護士による退職代行を利用して、会社側へ「会社都合退職」にするよう交渉することは可能です。会社が応じない場合でも、当組合が発行する「通知書」をハローワークに提出・説明することで、最終判断として会社都合退職に認定される可能性は高まります。

万が一会社都合が認められなかった場合でも、結婚・出産・転勤・介護・病気などのやむを得ない事情があれば、「特定理由離職者制度」を利用することで、給付制限の免除や給付日数の延長など、会社都合と同等の有利な条件で失業手当を受給できます。必要書類を正しく揃え、お近くのハローワークや労働局へ確認しながら適切に手続きを進めましょう。

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