失業保険を最大2年6か月もらうことが可能?条件と手順を解説
💡 〈サクッと結論!〉
- ✅ 傷病手当金と失業手当の受給により、最大28ヶ月間(45歳以上は最大30ヶ月間)の手当の受給が可能
- ✅ 傷病手当金と失業手当受給の為に、退職日以前の2年間に1年以上の社会保険の被保険者期間が必要
- ✅ 傷病手当金と失業手当の同時受給は出来ないため、失業保険の受給期間の延長申請を行う
この記事では、突然会社を辞めざるを得なくなってしまった方々に向けて、失業保険を最大28ヶ月間もらう方法について詳しく解説しています。
退職時に次の就職先が決まっていることが理想ですが、様々な理由から決まっていない状況で急遽退職せざるを得ないこともございます。このような状況下でお金を受け取ることが出来る可能性がある制度が失業保険です。
今回は、会社を退職した後に受給できる「失業手当」だけでなく、失業保険の手当てを最大で28ヶ月間(45歳以上は最大30ヶ月間)もらうことが出来る方法について解説いたします。
★ 失業保険を最大2年6か月もらえる仕組みについて
失業保険と社会保険給付金を組み合わせることにより、最大28ヶ月の間、国から給付金を受給することが可能となります。ただし、年齢の条件により、45歳以上は最大30ヶ月間の受給が可能となります。
失業保険と社会保険給付金とはどのような仕組みなのかを解説いたします。
★ 失業保険と社会保険給付金について
【失業保険について】
失業保険を受給するには、退職後にハローワークを訪問して失業手当を申請する必要があります。失業認定を受けると、一定期間中に、一時的に手当てがもらえる仕組みとなっています。
受給金額は、前職の月の給与の50~80%になります。例えば月給30万円ならば、受給金額は15万円~24万円となります。受給期間は、雇用保険加入期間や離職理由にもよりますが3ヶ月~10ヶ月です(45歳以上は12ヶ月)。
【社会保険給付金(傷病手当金)について】
社会保険給付金とは「傷病手当金」と呼ばれています。傷病手当金は、仕事とは無関係のことが原因の病気やケガで就業不可能な場合に受け取ることが出来る手当のことです。
傷病手当金は広く理解されているとはいえず、日本ではおよそ1,600万人の方が社会保険給付金を受給可能であるにもかかわらず、実際に受給をしている方は約9万人にとどまっております。その理由として、傷病手当金の受給申請が難しそう、単純によくわからない、傷病手当金の制度そのものを知らないということが挙げられます。
傷病手当金等の社会保険給付金の財源は、社会保険料です。したがって、傷病手当金を受給することは労働者としての当然の権利であり、後ろめたく感じたり罪悪感を感じられる必要は一切ございません。
★ 傷病手当金と失業手当を合わせて最大28ヶ月間もらうための条件
傷病手当金と失業手当を受給するには、それぞれ下記のような条件がございます。
【傷病手当金の受給条件】
- 業務以外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 社会保険(健康保険)に連続して1年以上加入していること(国民健康保険は不可)
- 病気やケガで就業不可であること
- 連続した3日間(待期期間)を含んで4日以上仕事に就けない状態であること
【失業手当の受給条件】
- 自己都合退職の場合、退職日以前の2年間に12ヶ月以上の社会保険の被保険者期間が必要。会社都合退職者の場合、退職日以前の1年間に6ヶ月以上の社会保険の被保険者期間が必要(国民健康保険は不可)
- 失業状態であること(就職できる状態で、就職の意思があること)
★ 傷病手当金と失業手当を最大28ヶ月間もらう流れ
まずは傷病手当金を最大18ヶ月間受給しながら病気の治療を行います。そして、病気が治ったら、失業手当を最大10ヶ月間(45歳以上は12ヶ月間)受給しながら就職活動を行う、という流れとなります。
この方法で、合計最大28ヶ月間(45歳以上は最大30ヶ月間)受給することが可能です。
※傷病手当金と失業手当を同時に受給することはできないので、別々に受給することになります。
- 退職届の提出(退職の意思表示):
退職届を提出して、会社から退職を認めてもらいましょう。
※精神的な体調不良等でご自身でのご対応が難しい場合は、退職代行テミスにご依頼いただくことで、直接会社と連絡を取ることなく、出社もせずに退職することが可能です。 - 医師の受診を行い診断書をもらう:
①精神科、心療内科を受診して診断書をもらってください。②傷病手当金申請を考えていることを伝えてください。③申請期間を医師に相談してください。④医師の受診は、退職から4日以上前に受診しておいてください。⑤病院が診断書を書いてくれない場合は、他の病院を受診してください。⚠️ 診断書をもらう際の注意点
・不眠、食欲不振、頭痛や動悸などの精神的な体調不良が原因で仕事に支障をきたし、これ以上の継続勤務が難しい旨をお伝えください。
・体調不良の原因が「会社にある」とは言わないでください。職場が原因となってしまうと労災とみなされてしまい、傷病手当金が受給できなくなってしまいます。 - 在職期間中に連続して4日以上の休みがあること(待期期間):
傷病手当金の申請を行うには、連続した3日間以上就業できない状態である必要がございます。これを待期期間と呼び、この期間には給与の支払いの有無は関係ございません。つまり、土日祝日のような公休日や有給休暇を利用することでも可能です。連続した3日間の待期期間を含み、4日以上就業できない状態に対して4日目以降に傷病手当金の支給がございます。
※注意点として、退職日も含めて4日以上の休みがあることが条件となります。退職日に引継ぎや挨拶、片付け等で出社されてしまうと条件を満たしませんのでご注意ください。 - 再度医師の診察を受け、傷病手当金申請用紙の記載をしてもらう:
医師の診断を再度受ける前に、傷病手当金申請用紙をご加入の健康保険組合のホームページからプリントアウトしてください。その申請用紙を持参して、再度医師を訪れて診察を受けてください。その際に、働ける状態ではないことを伝えた上で、医師に申請用紙の必要事項の記載をお願いしてください。 - 健康保険、国民年金の切り替え:
退職日の翌日からは社会保険の資格喪失となりますので、今まで使用されていた保険証は使用できません。お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口へ行っていただき、国民健康保険への切り替えを行ってもらってください。合わせて国民年金についても、第2号被保険者から第1号被保険者への切り替えが必要となります。 - 傷病手当金の申請:
手順4で医師に記入してもらった申請書類を会社に送付してください(ご自身で伝えるのが難しい場合は退職代行テミスが代行いたします)。送付前にはコピーを取り保管しておきましょう。会社記入欄に必要事項を記載してもらい、返送されたらご自身で記入する箇所を埋めて健康保険組合にご提出ください。 - 失業保険の受給期間の延長申請:
傷病手当金の申請が終わりましたら、管轄のハローワークを訪れて失業保険の受給期間の延長を申請してください。傷病手当金は「仕事に就くことが出来ない方」に支給される一方、失業保険は「仕事に就くことが出来る状態」の方に支給されるため、同時受給はできません。また、失業保険は原則退職後1年経つと受給資格が失われるため、この延長申請が必須となります。 - 傷病手当金の受給が始まる:
退職後も傷病手当金を継続して受給するには、ひと月ごとに(それ以上の期間をあけないように)、病院に行き、同じ手順で傷病手当金申請の用紙を作成して月に1度健康保険組合に提出していただくことになります。治療に積極性がなければ受給資格を失うためです。 - 傷病手当金の受給が終わる:
傷病手当金の受給期間の1年6ヶ月が終了する頃になれば、病院で医師から就職活動を行う許可をいただきます。失業保険の受給を行うためには就職活動をしていることが必要条件だからです。医師から許可をいただく際には、体調が回復したことを伝えて「傷病証明書」と「就業可能意見書」の作成をお願いしてください。 - 失業保険の受給が始まる:
2つの書類を持参の上、ハローワークを訪れて受給期間延長の解除を行います。その際のポイントは「体調が回復して仕事を探す意思があること」「就職困難者(※補足)であること」をしっかりと伝える点です。これにより、失業保険の受給期間を最大10ヶ月(45歳以上は最大12ヶ月)まで延長することが可能となります。💡 補足:就職困難者とは
1. 身体障害者、2. 知的障害者、3. 精神障害者、4. 刑法等の規定により保護観察に付された方、5. 社会的事情により就職が著しく阻害されている方などが該当します。
参考:ハローワーク|障害者等の就職困難者 - 就職活動を行う:
失業保険を継続して受給するためには、4週間ごとの失業認定日で就職活動実績を示す必要があります(求人への応募、ハローワークや民間機関の職業相談・セミナー受講、国家試験の受験など)。なお、受給中に就職が決まった場合は、残りの給付日数に応じて「再就職手当」をもらうことが可能です。
★ まとめ
傷病手当金と失業保険を受給することにより、45歳未満の方は最大28ヶ月、45歳以上の方は最大30ヶ月の間、手当を受給することが可能です。傷病手当金と失業保険は国の制度であり、私たちが支払ってきた保険料が原資となり成立しています。そのため、条件に適合する労働者にとっては法律に基づき保証された当然の権利であり、後ろめたく思う必要は全くありません。
受給可能な期間が長いほど、次の仕事探しやキャリアプランをしっかりと考える余裕が生まれます。病気の治療やリハビリテーションに専念する時間も確保でき、全体的に生活の質が向上することでしょう。
退職後の傷病手当金や失業保険の手続きについて詳しく知りたい、
または会社への確認や退職の手続きでお悩みなら、
退職代行テミスへお気軽にご相談ください。
直接会社と連絡を取りたくないという方は、代わりに当組合から会社へ確認・申請サポートをさせていただくことも可能です。
まずは土日祝も対応の無料相談から、お気軽にお問い合わせください。