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看護師を辞めるにあたって退職代行を使うことは出来ますか?
2026.06.10 ・ 編集部 ・ 職種別/看護師 約19分で読めます

看護師を辞めるにあたって退職代行を使うことは出来ますか?

💡 〈サクッと結論!〉

  • 看護師でも退職代行を利用して退職することは法的にも問題ない
  • 奨学金の返済と退職は別問題である為、返済が完了していなくても退職代行を利用しての退職が可能
  • 退職代行を利用することで病院との直接のやり取りや引き留めを回避して退職することが可能

看護師として働かれていて、様々な理由から看護師を辞めたいと思われている方もいらっしゃるかと思います。

しかし実際に看護師をこのまま続けていくのか、辞めるのか考えられたときに悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

看護師は命を預かる仕事で、非常に重い責任が伴います。また医師、上司、患者といった多くの関係者と関わるため、人間関係もかなり複雑になります。

そんな状況では、「この仕事を辞めたい」と感じても、それを簡単には口に出せないことが少なくありません。なぜなら人手不足などにより、そう簡単に辞めることができない状況が多いからです。

また病院奨学金制度や看護師等修学資金貸与制度の問題もございます。このように看護師を辞めたいけどご自身では伝えることが出来ないとお悩みの方は多いようです。実際に当組合にも看護師の方から結構な数のご相談をいただいております。

辞めたいのに無理して働き続けるというのは辛いかと存じます。この記事では看護師を辞めたい方に、退職代行を利用して看護師を辞めることは可能なのか、また病院奨学金制度や看護師等修学資金貸与制度の返済が終了していない場合でも退職することは出来るのか、退職代行を利用して退職することによるメリット・デメリットについて詳しく解説させていただきます。それでは以下でみていきましょう。


★ 退職代行を利用して看護師を辞めることは可能なのか

結論から申し上げますと、退職代行を利用して看護師を退職することは可能です。

看護師は人の生命に直接関与し、社会貢献ができる仕事で、やりがいを感じ魅力的に思われる方も多い仕事かと思われます。しかし、その裏には厳しい現実があり、特に正規雇用の看護師の間では約10%が職場を去っています。さらに気になるのは、既卒者を採用した場合、その離職率が約15%に上るという事実です。

さらに、近年の新型コロナウイルスの感染拡大が看護師の労働環境に多大な影響を及ぼしていました。これにより、看護師が過酷な労働条件に耐えかねて離職するケースも増えていたようです。

ここで看護師が退職する際の注意点をいくつかお伝えさせていただきます。

通常、就業規則等で退職希望日の1ヶ月前に退職の意思を明らかにするのが一般的ですが、無期雇用の正看護師の場合、2週間前に退職の意思を示すことで退職が可能です。

これは民法627条で定められており、この2週間の経過は実際に働かれた日数ではなく暦による2週間経過となりますので、出勤されていても有給などの休暇を取得していても同様の日数となります。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十著条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法627条(e-Gov法令検索)

ただし、上記の法律は無期雇用の労働者のみが該当する法律となります。したがって、契約社員やアルバイトの方などの有期雇用の場合は、原則契約期間の途中での退職は出来ません。しかし、有期雇用契約であったとしてもやむを得ない事由があれば、有期雇用契約を解除することが可能とされています。やむを得ない事由とはご自身の病気やケガ、家族の介護などがそれにあたります。

(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用:民法628条(e-Gov法令検索)

また、契約期間が1年を超える雇用契約の場合だと、1年経過後はいつでも退職の申し入れが可能と労働基準法で定められております。

第百三十七条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
引用:労働基準法附則第137条(e-Gov法令検索)

上記の通り、退職代行を利用して看護師を辞めても法律的に問題はございません。有給休暇が残っている方は、有給休暇の消化も退職代行業者に伝えて、退職代行業者から会社に交渉をしてもらいましょう。

しかし、これには注意が必要で、ご自身で退職される場合はシフト調整や業務の引継ぎのために、早めに直属の上司に退職の意思を伝えることが推奨されています。

また特殊なケースとして、病院の就業規則によっては、半年前に退職を申し出るという規定が存在する場合もあります。これは円滑な業務の進行と適切な人員配置のためです。ですから、早期に退職を決断した場合は、これらの規則を確認し、十分な余裕を持って退職の意志を伝えることが大切です。

最後に、退職時には業務の引継ぎが必要です。これを円滑に進めるためには、退職希望日とその通知の日程を早めに計画し、就業規則を確認することが大切です。これらの注意点を理解しておくことで、退職手続きがスムーズに進み、自身のキャリアの次のステップへとスムーズに進むことが可能となります。

しかし、退職のプロセスは複雑で、一人で把握するのは難しい場合があります。そのため、退職代行の利用を検討されてみてはいかがでしょうか。


★ 看護師を辞めたいと思う理由

看護師を辞めたい、今の職場で働くのが辛いと感じる理由は人それぞれ様々な理由があるでしょうが、体力が必要とされる現場であり連日の夜勤や人の命を預かる仕事という責任の重さから、体力的にも精神的にも疲弊される方もいらっしゃるかもしれません。

  • 【給与、待遇の不満】
    看護師は極めて責任の重い職業で、患者の命を直接的に預かる立場にあります。その一方で労働条件は一般的に厳しいとされ、特に給与が労働の過酷さに見合っていないという声が絶えません。確かに看護師の給与は一般的な職種に比べて高いとされますが、それでもその仕事の重さや責任を考えると満足のいく額とは言えない場合が多いのです。さらに、看護師が経験を積んで中堅の立場になると、その仕事量と責任が増える一方で給与はそれほど増えないことが多く、転職を選ぶ要因となっています。
  • 【職場内の人間関係】
    病院のような人間関係が密接な職場では、対人関係によるストレスは大きな問題となります。例えば、勤続年数が長い看護師(いわゆる"お局様")による圧力やイジメ、先輩看護師からの苦言やパワハラによって仕事そのものよりも人間関係に疲弊し、うつ病を患うなど深刻な結果を引き起こして退職を考えるケースも少なくありません。
  • 【精神的に辛い】
    一つの過ちが患者の生命を危険に晒す可能性があるため、常に高い緊張感が伴います。仮に給与面で充足しているとしても、人の命を預かる重責や不快な人間関係などが重なり、精神的な負担から体調を崩してしまい、結果として退職することになる看護師もいます。
  • 【不規則な労働時間と長時間労働】
    深夜勤務が多く、過酷な労働環境から逃れるために退職を考える人も少なくありません。夜勤形態には「二交替制(16時間に及ぶ長時間勤務)」と「三交替制(不規則なスケジュール)」があり、日本看護協会の調査では約65%の病院が二交替制を採用しています。さらに患者の対応や看護記録の作成、勉強会などによる残業が頻発し、慢性的な人員不足も加わることでワークライフバランスを保つことが困難になっています。
  • 【患者とのトラブルや医療ミスが怖い】
    日々多数の患者やその家族と対話をする中で、診療に関する意見の相違やトラブルが生じることは少なくありません。また、医療現場は医療ミスが許されない非常に厳しい環境であるため、過ちを犯する恐怖やトラブルを恐れて職を辞めたいと思うケースもあります。
  • 【ワークライフバランスを取りにくい】
    夜勤明けの休日を睡眠に費やさざるを得ず、適切なプライベート時間を確保することが困難になることもあります。また家庭を持つ看護師、特に子育てが必要な段階になると激務との両立は困難を極めます。厚生労働省の調査でも、退職の主要な理由として「出産・育児のため」という回答が最も多かった年もございます。
  • 【人員不足】
    病院における看護師の不足は深刻です。看護師が辞めていく一方で、病床数は減らず患者の数は増え続けています。採用に成功していない病院では人手不足が労働環境のさらなる悪化を招き、さらなる退職を促進するという悪循環を生み出しています。

★ 看護師を辞めたくても辞められない理由とそれに対する対処法

看護師の方で退職を考えているが、奨学金の返済がネックとなり奨学金の全額返済を求められているため退職したくても退職できずに悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ご安心ください、退職と返済は別問題になりますので退職することは可能です。

看護師を目指す学生を財政的に支援する「病院奨学金制度」と「看護師等修学資金貸与制度」は、卒業後に貸与を受けた病院や指定施設で一定期間働くことで返済が免除される仕組みです。しかし、途中で退職すると一括での返還を求められる可能性があり、例えば4年間で合計144万円といった大きな金額の返済義務が退職をためらう原因となっています。

このような状況では、弁護士や退職代行業者といったプロのサポートを受けて自身の状況に最適な解決策を見つけましょう。以下でその対処法を詳しく解説します。

  • 【一括で全額返済せずに退職可能】
    日本の法律では、たとえ病院奨学金制度等を利用していても「全額返済が完了しなければ退職できない」という縛りはございません。労働基準法16条では、契約期間を全うしなかったことを理由に違約金や損害賠償を要求する契約(お礼奉公の強要など)を禁じています。万が一病院側がこれに違反し退職を阻止した場合、病院側は「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の処罰を受けるリスクがあります。したがって、一括返済の要求に無条件で従う必要はなく、分割返済への変更や、次の転職先の病院に立て替えてもらうといった方法で対策を立てることが可能です。また、すでに返済免除期間を終了していれば何の問題もなく自由な意志で退職できます。
    参照:労働基準法第16条(e-Gov法令検索)労働基準法第119条(e-Gov法令検索)
  • 【損害賠償請求をされたとしても同様】
    労働基準法により、退職希望の看護師に対して病院が損害賠償請求をすることは、正当な理由がない限り許されていません。看護師が退職することに対して罰則のような違約金を要求する契約を結ぶことは、法的に認められていないのです。

★ 退職時に退職代行を利用した方がよい看護師の特徴

以下のようなお悩みがある方は、仕事を無断で辞めてしまう(バックレる)前に、一度退職代行の利用を検討されてみるとよいでしょう。

  • ・看護師長などの上司からハラスメントを受けている
  • ・不規則な労働時間と長時間労働に耐えられない
  • ・執拗な引き留めに合っている
  • ・病院を無断でバックレようか悩んでいる

退職代行サービスを利用すれば、退職代行業者や弁護士、労働組合が正しい手順を経てスムーズに退職手続きを行います。即日退職(※手続上の即日対応)が可能なので、待つことなく精神的なストレスの原因からすぐに解放されることが期待できます。


★ 看護師が退職代行を利用して辞めるメリット

  • 【病院からの引き留めに遭うことがない】
    退職代行を利用すれば、自分で直接上司や職場と交渉する必要がなく、代行業者が代わりに通知を行ってくれます。上司からの激しい引き留めや、感情的な対話に巻き込まれて退職が難航するリスクを大幅に低減できます。
  • 【複雑な人間関係や過酷な労働環境のストレスから解放される】
    深刻な対人関係の悩みや、過酷な労働条件から逃れるための一つの手段として有効です。退職代行を利用すればご自身の心身の健康を守るとともに、ストレスから解放され、より労働環境が良いところへ転職できる可能性が増えます。
  • 【看護師長などの上司と直接連絡を取る必要なく退職可能】
    対話が苦手な上司や、高圧的で怖いと感じる看護師長・看護部長と直接話す必要はありません。退職代行業者が代わりに上司と連絡を取り、必要な手続きを進めていくため、心理的な負担を一切感じることなく退職を進めることができます。
  • 【病院の就業規則や退職規定にかかわらず退職可能】
    病院によっては「辞める意向を6ヶ月前には伝えること」といった独自の退職ルールを設けている場合がありますが、民法第627条では「退職の申し出から2週間が経過すれば労働契約は解除される」と明記されており、法律が優先されます。そのため、病院の規定に束縛されず安心して退職が可能です。

★ 看護師が退職代行を利用して辞めるデメリット

  • 【退職代行の依頼費用がかかる】
    自分で伝える場合は無料ですが、退職代行を利用する際は費用が発生します。運営元のタイプによって相場や対応範囲が異なります。
    弁護士事務所(相場:5~25万円):法律知識や交渉スキルが充実していますが、有給消化や残業代請求の際に成功報酬が発生することがあります。
    労働組合(相場:2.5~6万円):価格は3万円前後が多く、団体交渉権が保障されているため会社との様々な「交渉(有給消化など)」が可能ですが、裁判などの法的なトラブルには対応できません。
    民間企業(相場:2~5万円):費用は抑えられますが、会社との「交渉」は一切できず、通知の代行のみとなります。
  • 【損害賠償請求などのトラブルが起こる可能性がある】
    看護師が退職代行を利用して損害賠償を請求されるケースは非常に稀です。民法415条には損害賠償の規定がありますが、突然の退職による人手不足の損害を看護師個人に全責任追及することは極めて困難であり、事実上ほとんど存在しません。
    参照:民法415条(e-Gov法令検索)
  • 【同じエリアの病院に転職しづらくなるケースがある】
    同一エリア内では病院間で繋がりがあり、情報が共有されてしまう可能性がゼロではありません。信頼できる優良な代行業者を選べば、利用経歴を漏らさないよう注意深く対応してくれますが、不安な場合は異なるエリアへの転職や別職種への就職を視野に入れるのも一つの選択肢です。
  • 【上司・同僚から直接連絡が来る可能性がある】
    退職を阻止しようと、個人的なSNSや電話で連絡が来ることがあります。しかし、これらに対応する義務はなく、無視しても全く問題ございません。優良な業者であれば、本人へ直接連絡をしないよう病院側へ強く要望してくれます。

★ 看護師の転職市場について

看護師という職業は、社会的な需要と供給のバランスから常に人手が足りない状況にあります。これは裏を返せば、看護師自身が職場を選ぶ際には大きなアドバンテージとなります。求人数が非常に多いため、新たなキャリアチャンスを探すことは比較的容易です。新人看護師やブランクがあまりない看護師は、特に採用されやすい傾向にあります。過酷な環境に身を置き続ける必要はなく、雇用ニーズが高いからこそ、より待遇の良い職場への転職が可能です。


★ まとめ

看護師の仕事は負担も大きく、過酷な労働環境や複雑な人間関係、命を預かるプレッシャーから心身ともに消耗されている方が多いのが現状です。今の環境が辛く、人手不足を理由に上司から強い引き留めに遭う可能性があり、ご自身では伝えることが出来ない方は、もちろん退職代行を利用して看護師を辞めることは可能です。

  • 退職代行を利用することにより、病院に連絡したその日から、直接職場の方と連絡を取る必要はなく、出社する必要もございません。
  • また、有給休暇の消化や未払い残業代請求、退職金や賞与の請求など、1人で行うには困難な交渉も適切な退職代行業者(労働組合や弁護士)が代理で行ってくれます。
  • 「病院奨学金制度」や「看護師等修学資金貸与制度」の返済が終了していないために退職を躊躇されている方も、退職と返済は別の問題であるため、退職すること自体は可能です。

看護師という職業は、人々の生命に関わり、社会貢献もできる素晴らしい仕事です。看護師としての働きがいを嫌いになってしまう前に、現在の困難な状況を変えるための新たな一歩を踏み出しましょう。

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