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会社から借金があるけど一括返済しないと退職できない?
2026.05.26 ・ 編集部 ・ 退職代行/基礎知識 約13分で読めます

会社から借金があるけど一括返済しないと退職できない?

💡 〈サクッと結論!〉

  • 借金と退職は別問題であり、会社に借金があっても法律上退職自体は可能です。
  • 会社の承諾次第では、交渉によって一括ではなく分割返済にして退職できる可能性があります。
  • 仮に返済を巡って裁判になったとしても、現実的に支払い可能な分割金額で和解・合意になることがほとんどです。

会社から借金がある場合、「返済が終わるまで退職は認めない」「辞めるなら今すぐ一括返済しろ」などと言われ、退職を躊躇している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、法律的には会社は借金があることを理由に労働者の退職を引き留めることはできません。また、借用書に「退職時は一括返済」と書かれていても、実際には交渉の余地や時間的な猶予が存在します。さらに、借金(負担)の理由や内容によっては、そもそも返済の必要がないケースすらあります。

本記事では、退職代行を利用して会社への借金問題を整理しながら退職する方法と、退職後の返済を巡る具体的な流れについて詳しく解説します。会社にお金を借りた状態での退職に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。


★ 会社からお金を借りている状態で退職代行を利用して退職する

退職代行サービスを利用する際は、まず「借金の理由」「残額」「退職後に希望する月々の返済額」「借用書の有無」など、具体的な現状をアドバイザーにお伝えください。

一般的に、会社から借りたお金は退職時に一括請求されるケースが通常です。しかし、借金があるからといって、それを返すために会社に残り続けて身を粉にして働く必要はありません。

【借金がある状態での退職に関する重要なポイント】

  • 退職と借金は別問題:民法第627条により労働者には自由に退職する権利があり、会社は引き留めができません。借金の返済は民法上の債務であり、労働契約の終了とは切り離して考えられます。
  • 勝手な財産処分は不可:会社はあなたの財産(預金や給与など)に勝手に手を付けることはできません。差し押さえには裁判手続きが必要なため、時間的な猶予が生まれます。
  • 分割交渉の余地:一括返済が難しい場合は、退職代行(労働組合や弁護士)を通じて分割返済への変更を会社に交渉することが可能です。

・その借金、本当に全額返す必要がありますか?

個人的な生活費の補填などの理由であれば当然返済義務が生じますが、借金の内容によっては返済義務がない、あるいは減額できる可能性があります。

例えば、「業務中の交通事故で会社の車を壊してしまい、その修理費用を支払わせるために会社から借金したことにされている」といったケースや、「会社が労働者に過大な負担を強いる違法な内容」である場合、法律上返済しなくてもよいことがあります。どのような理由による借金なのかを精査し、正しい対応を見極めるためにも、退職代行業者へ事前にしっかりと理由を伝えておきましょう。

【会社に対する借金(社内融資等)の主な例】
冠婚葬祭の費用 / 病気やケガの治療費・入院費 / 業務外の交通事故等による損害賠償 / 災害被災時の対応費用 / 子どもの教育費・進学費 / 引っ越し費用など

★ 借用書(金銭消費貸借契約)の確認

会社に借金がある状態で辞めるとき、まず重要になるのが「借用書」の有無と記載内容です。お金の貸し借り契約のことを、民法では「金銭消費貸借契約」と呼びます。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
引用元:民法第587条(e-GOV 法令検索)

法律上、お金の貸し借りは「当事者間の合意」と「お金の授受」があれば成立するため、実は借用書がなくても契約自体は有効です。「借用書がないから返さなくていい」というのは誤解ですので、書類がなくても誠実に返済方法を協議する必要があります。

・借用書がある場合のチェックポイント

  • 「退職時は一括返済する」という旨の記載がない場合:退職後も、これまで通り定められたスケジュールで分割返済を続けていけば問題ありません。
  • 「退職時は一括返済する」という旨の記載がある場合:法律上、退職によって一括返済の義務(期限の利益の喪失)が生じます。ただし、現実問題として一括払いが困難なケースが多いため、次に説明する「分割返済の交渉」が必要になってきます。

★ 退職代行業者による交渉で分割返済を検討

一括返済が難しい場合は、退職代行(弁護士や労働組合)を通じて会社とネゴシエーションを行い、分割返済への変更を求めることができます。民法上、債権者(会社)と債務者(あなた)が合意すれば、返済ルールの変更は自由です。

⚠️ ただし、分割を認めるかどうかは最終的に会社の承諾次第となります。

会社側が分割に応じてくれる場合でも、条件として「新たな保証人を立てること」を求められたり、分割回数も「通常最大6回程度まで」と短めに設定されたりすることが一般的です。

無事に分割返済の合意が得られた場合は、口約束で済ませず、必ず「分割弁済契約書(合意書)」を書面で交わして証拠化しましょう。将来の不要なトラブルを防ぎ、双方のメリットにつながります。


★ 会社から分割払いの承諾を得られなかった場合

もし会社が「絶対に一括で払え」「分割など認めない」と拒否した場合、どうなるのでしょうか? 結論から言うと、過度に恐れる必要はなく、時間的な猶予も十分にあります。

なぜなら、会社はあなたの財産を勝手に没収することはできないからです。あなたの家や車を売却したり、財布から現金を抜き取ったり、銀行口座から勝手にお金を引き出す権利はありません。それらを行うには、会社側がまず「裁判」を起こさなければならないのです。

裁判は控訴審まで含めると結審までに1年以上の時間がかかります。つまり、会社が強制執行(差し押さえ)に動くまでに最低でも1年ほどの猶予が生まれるため、その期間を利用して会社と粘り強く交渉を続けたり、返済原資をゆっくり貯めていけばよいのです。お互いの話し合いで決着がつかない場合は、第三者である簡易裁判所を仲介した手続きへと進むことになります。


★ 実際の裁判・和解の流れ

重ねてお伝えしますが、「返済」と「退職」は別問題です。返済が滞っていても退職は有効に成立します。返済に関する裁判手続きは、一般的に以下の流れで進みます(※実際の裁判対応はご自身で行っていただく形となります)。

① 条件の提示:あなたが現実的に支払える最大の「分割返済額(月額と総額)」を会社へ提示する。
▼ 会社側からの返答を待つ
② 合意の検討:会社から提示された条件で応じられるか検討する。大きくかけ離れている場合は無理に再提案せず次のステップへ。
▼ 合意できない場合、会社側の訴訟提起を待つ
③ 裁判所での話し合い(和解):裁判が始まると、裁判官の仲介のもとで「和解」の話し合いが行われます。裁判官は「到底払えない額で合意させても意味がない」と考えるため、あなたの経済状況を考慮し、会社側に減額や長期分割を促してくれます。
▼ 話し合いでも折り合いがつかない場合
④ 判決:裁判所から「一括支払い命令」の判決が出ます。ただし、従わなくても罰則(前科など)はありません。会社側はあなたの財産を差し押さえる権利を得ますが、対象となる財産がなければ差し押さえは空振りに終わります。

裁判前の段階では強気な会社であっても、裁判官から「判決で一括命令を出しても、相手に財産がなければ1円も回収できませんよ。現実的な分割案で和解したほうが得策では?」と諭されるため、最終的には現実的な分割払いで和解が成立することがほとんどです。


★ 差し押さえ(強制執行)までの流れ

万が一、話し合いが決裂して会社側が差し押さえの手続きを進めた場合のスケジュール感は以下の通りです。

  • 【差し押さえ予告通知書が届く】
    借金を滞納(あるいは会社からの請求を拒否)してから約3か月ほど経つと届きます。この段階から裁判所が関与し始めます。
  • 【会社による訴訟提起・支払督促】
    無視し続けると、裁判所から「特別送達」という郵便で訴状や「支払督促」が届きます。※支払督促ははがき形式で届くこともあり、見落として2週間放置すると自動的に確定し、会社側が勝訴したのと同じ扱いになってしまうため注意が必要です。
  • 【強制執行(差し押さえ)】
    判決や支払督促の確定を根拠に、会社が裁判所に申し立てて強制執行が実行されます。

★ 差し押さえの範囲と禁止されている財産

仮に差し押さえの段階に至ったとしても、あなたの全財産が没収されるわけではありません。法律によって、生活を守るための最低限のライン(制限)が設けられています。

財産の種類 差し押さえ可能な範囲と注意点
① 債権
(給与・預金)
再就職先の給与がバレた場合、差し押さえられるのは手取り額の4分の1までです(手取りが44万円を超える場合は33万円を引いた全額)。結果的に「毎月の分割払い」と同じような形になります。預金も対象になりますが、口座自体はその後も使えます。
② 動産
(現金・車など)
高級時計や貴金属などは対象ですが、66万円以下の現金は法律で没収が禁止されています。また、日常生活や仕事に不可欠な衣服、寝具、家具、家電、仕事の道具なども差し押さえできません。車も生活に必要不可欠であれば対象外となることがあります。
③ 不動産
(マイホーム等)
家や土地の差し押さえには莫大な手間と費用がかかるため、借金額が数千万レベルの超高額でない限り、実際に会社が持ち家を差し押さえるリスクは極めて低いです。
💡 年金や生活保護受給権について:
これら公的福祉の給付金そのものを差し押さえることは法律で禁止されています(差し押さえ禁止債権)。ただし、すでに「銀行口座に入金された後のお金」になると通常の預金と区別がつかなくなり、差し押さえの対象になってしまうため、その点だけは注意が必要です。

★ 退職時の借金問題を解決するための退職代行サービスの選び方

借金を理由とした不当な引き止めに対抗し、安全に退職手続きを進めるには、労働法や民法に精通した信頼できる退職代行サービスを選ぶことが肝心です。

当組合(労働組合)では、単なる退職の意思伝達にとどまらず、会社側との間で「借金問題を含めた退職交渉」を行うことが可能です。退職時に一括請求されて困っているという場合でも、あなたに代わって現実的な解決の落としどころを模索し、会社に働きかけます。

※万が一、完全に決裂して正式な裁判へと発展した場合は、ご自身でご対応いただくか、専門の弁護士へ引き継ぐ形となりますのであらかじめご了承ください。


★ まとめ

会社からの借金があっても、法律上は何の制限もなく退職できます。一括返済を求められても、交渉によって分割払いに切り替えてもらえる可能性は十分にあります。

また、仮に会社が頑なに分割を拒んで裁判になったとしても、1年以上の猶予があるうえ、最終的には裁判所での話し合いにより「無理のない現実的な分割金額」で合意(和解)するケースがほとんどです。生活を脅かされるような不当な差し押さえを受ける心配もありません。

一度「分割弁済契約書」などの合意書にサインすると、後から条件を勝手に変更することは難しくなるため、退職前に正確なシミュレーションをしておくことが大切です。まずは一人で抱え込まず、当組合の退職代行サービスへお気軽にご相談ください。

「借金を返すまで辞めさせない」という会社の不当な引き止めに悩む必要はありません。
あなたが安全に次の人生のステップへ進めるよう、
当組合が代理人となり、退職と借金問題の交渉を全力でサポートいたします。
土日祝も休まず無料相談を受け付けておりますので、どうぞご安心ください。

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