失業保険はいくら?2026年8月から基本手当日額が引き上げ|年齢別の上限額と計算方法
💡 サクッと結論!
- ✅ 2026年8月1日から失業保険(基本手当)の日額が全年齢で引き上げ。
- ✅ 上限は45〜59歳で9,110円、下限は全年齢2,562円に増額。
- ✅ 金額は離職前6か月の賃金で決まる。退職前の給与確認が大切。
「退職したら生活費はどうしよう」と、給与明細を見ながら不安になっていませんか。退職後の生活を支える失業保険(雇用保険の基本手当)は、2026年8月1日から支給額の基準が変わり、全年齢で引き上げられました。
本記事では、厚生労働省の発表をもとに、年齢別の新しい上限額と下限額、自分がいくらもらえるかの計算方法、そして退職前に確認しておきたいポイントまで、労働組合の視点でわかりやすく解説します。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。
★ 2026年8月1日から失業保険の基本手当日額が引き上げられました
結論からお伝えすると、厚生労働省の発表により、2026年(令和8年)8月1日から雇用保険の基本手当日額(失業保険の1日あたりの支給額)の上限額と下限額が引き上げられました。
基本手当日額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減に合わせて、毎年8月に見直される仕組みです。今回は平均給与の上昇を反映して、すべての年齢区分で増額となりました。
すでに失業保険を受給中の方も対象です。手続きは不要で、2026年8月1日以降の認定日に返却される雇用保険受給資格者証に、新しい基本手当日額が印字されてお知らせされます。
【今回の改定で押さえること】
- ✓ 適用は2026年8月1日以降の支給分から
- ✓ 受給中の人も対象で、手続きは不要
- ✓ 新しい日額は受給資格者証に印字して通知
★ 年齢別の上限額と下限額はいくらになった?変更前後を比較
新しい上限額は、離職時の年齢が45〜59歳の方で9,110円です。下限額は年齢に関係なく2,562円になりました。年齢区分ごとの変更前後は次のとおりです。
| 離職時の年齢 | 変更前の上限額 | 変更後の上限額 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 7,255円 | 7,450円 | +195円 |
| 30〜44歳 | 8,055円 | 8,270円 | +215円 |
| 45〜59歳 | 8,870円 | 9,110円 | +240円 |
| 60〜64歳 | 7,623円 | 7,830円 | +207円 |
| 下限額(全年齢) | 2,411円 | 2,562円 | +151円 |
出典: 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります(令和8年8月1日から)」
たとえば45〜59歳で上限額が適用される方の場合、1日あたり240円の増額は、28日ごとの認定期間で約6,700円の差になります。また、再就職が決まったときの再就職手当の算定に使う上限額も、59歳以下で6,745円、60〜64歳で5,454円に引き上げられています。
【上限額の見方】
- ✓ 上限額は「離職時の年齢区分」で決まる
- ✓ 45〜59歳は+240円で増額幅が最大
- ✓ 再就職手当の算定上限も同時に引き上げ
★ 自分の基本手当日額はいくら?計算方法を具体例で解説
自分がもらえる金額は、「賃金日額」に50〜80%の給付率をかけて計算します。賃金日額とは、離職した日の直前6か月に毎月支払われた賃金の合計を180で割った金額です。残業代や通勤手当など毎月決まって支払われる賃金は含まれ、賞与(ボーナス)は含まれません。
給付率は賃金が低い方ほど高く設定されており、賃金日額が低い場合は80%、高くなるにつれて50%へ近づきます(60〜64歳は45〜80%)。
・35歳で月給30万円(賃金日額1万円)の方:
計算式にあてはめると基本手当日額は6,307円です。28日ごとの認定期間で約17万6,000円が支給される計算になります。
・29歳で賃金日額が17,000円ある方:
上限額が適用されて基本手当日額は7,450円となります。
【賃金日額の計算に入るもの・入らないもの】
- ✓ 残業代や通勤手当など毎月の賃金は含む
- ✓ 賞与(ボーナス)は含まない
- ✓ 未払い残業代を放置すると日額が下がる
★ 何日分もらえる?所定給付日数と受給総額の目安
総額の計算はシンプルです。受け取れる総額は「基本手当日額 × 所定給付日数」で決まります。所定給付日数は、離職理由・雇用保険に入っていた期間・離職時の年齢で決まり、90日から330日まで大きな幅があります。
| 離職理由・年齢 | 1年未満 | 1〜5年 | 5〜10年 | 10〜20年 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自己都合(全年齢) | 原則対象外 | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
| 会社都合・30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ─ |
| 会社都合・30〜44歳 | 90日 | 120〜150日 | 180日 | 210〜240日 | 240〜270日 |
| 会社都合・45〜59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 会社都合・60〜64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
たとえば先ほどの35歳・基本手当日額6,307円の方が、自己都合退職・雇用保険8年なら、90日分で総額は約56万7,000円です。同じ条件でも倒産や解雇など会社都合なら180日分となり、総額は約113万5,000円まで変わります。
【受給総額を左右する3つの要素】
- ✓ 基本手当日額(離職前6か月の賃金で決まる)
- ✓ 所定給付日数(保険加入期間と年齢で決まる)
- ✓ 離職理由(自己都合か会社都合かで日数が大きく変わる)
★ いつからもらえる?待期7日と給付制限【2025年4月から1か月に短縮】
お金が実際に振り込まれるまでの流れも確認しておきましょう。会社都合の離職では、7日間の待期期間が終われば支給の対象期間が始まります。自己都合の離職では、待期7日に加えて給付制限期間があります。
この給付制限は、2025年4月1日以降の離職から、それまでの2か月が原則1か月に短縮されました。※5年以内に3回以上自己都合で離職している場合は3か月です。また、厚生労働省が認める教育訓練を受ける場合は、給付制限自体が解除されます。
【受給までの手続きの流れ】
- ① 会社から離職票を受け取る
- ② ハローワークで求職の申込みと受給資格の決定
- ③ 待期7日(自己都合はさらに給付制限1か月)
- ④ 4週間ごとの失業認定を受けて振込
★ 金額が上がっても変わらない「もらえる条件」と注意点
今回の改定で変わったのは金額の基準だけで、受給の条件は変わっていません。基本手当を受け取るには、原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが必要です。倒産や解雇など会社都合の離職では、離職前1年間に通算6か月以上に緩和されます。
また、受給できる期間は原則として離職日の翌日から1年間です。申請が遅れると、所定給付日数が残っていても期限切れで受け取れなくなる場合があるため、離職票が届いたら早めにハローワークで手続きをしましょう。
- ! 受給期間は原則、離職日の翌日から1年間
- ! 申請が遅れると給付日数が残っていても失効する
- ! 「落ち着いてから」と後回しにして期限を過ぎる例が多い
★ 労働組合の相談現場から見た「損をしやすい」ケース
私たち労働基準調査組合の相談現場では、制度の金額よりも手前でつまずく方を多く見てきました。特に多いのが、次のようなケースです。
1つ目は、残業代の未払いがあるまま退職してしまうケースです。賃金日額は実際に支払われた賃金で計算されるため、未払いを放置すると失業保険の金額まで下がってしまいます。
2つ目は、会社が離職票をなかなか発行してくれないケースです。離職票がなければハローワークで手続きができず、受給開始が遅れてしまいます。3つ目は、本来は会社都合にあたる退職なのに、自己都合として処理されてしまうケースです。離職理由によって給付制限や給付日数が変わるため、離職票の記載内容は必ず確認してください。
【相談現場で多いつまずき】
- × 未払い残業代を放置したまま退職する
- × 会社が離職票を発行してくれない
- × 会社都合なのに自己都合として処理される
★ 退職を迷っている方が今できること
退職を考え始めたら、まず直近6か月分の給与明細と雇用契約書を手元に集めておきましょう。賃金日額の根拠になるうえ、未払い残業代の確認にも使えます。あわせて、退職後の生活費を「基本手当日額×28日」の目安で試算しておくと、辞める時期を落ち着いて判断できます。
なお、未払い賃金をめぐって裁判で争うことが前提の場合や、すでに訴訟になっている場合は、訴訟代理ができる弁護士への依頼が適切です。
【退職前にやっておく3つの準備】
- ✓ 直近6か月分の給与明細を保管する
- ✓ 離職票の受け取りを退職時に必ず確認する
- ✓ 生活費を「基本手当日額×28日」で試算する
「会社と直接やり取りせずに退職したい」「未払い分や離職票の交渉もお願いしたい」という方には、労働組合が運営する退職代行テミスという選択肢があります。労働組合には団体交渉権があるため、退職の意思伝達だけでなく、未払い賃金の請求や離職票などの書類発行の交渉まで行えます。料金は正社員・契約社員・派遣社員は税込22,000円、パート・アルバイトは税込12,000円です。※後払いを利用する場合は別途手数料がかかります。
また、退職したことを理由に会社から損害賠償請求や懲戒解雇処分を受けた場合は、顧問弁護士が撤回交渉を行います。
★ 失業保険の引き上げに関するよくある質問(FAQ)
Q: 2026年8月からの失業保険の上限額はいくらですか?
A: 基本手当日額の上限額は、29歳以下が7,450円、30〜44歳が8,270円、45〜59歳が9,110円、60〜64歳が7,830円です。下限額は年齢に関係なく2,562円で、いずれも2026年8月1日から適用されています。
Q: すでに失業保険を受給中でも新しい金額になりますか?
A: はい、なります。2026年8月1日以降の支給分から自動的に新しい基準で計算されます。手続きは不要で、8月1日以降の認定日に返却される雇用保険受給資格者証に新しい基本手当日額が印字されます。
Q: 自分の基本手当日額はどこで確認できますか?
A: 雇用保険受給資格者証の第1面にある19欄に記載されています。賃金日額(離職前6か月の賃金合計÷180)は14欄で確認できます。これから申請する方は、直近6か月の給与明細から賃金日額を計算すると目安がわかります。
Q: 退職代行を使って辞めても失業保険はもらえますか?
A: はい、もらえます。退職代行の利用は退職の手段にすぎず、失業保険の受給資格には影響しません。通常の退職と同じく、被保険者期間などの条件を満たしていれば受給できます。離職票の発行を会社に求める交渉も、労働組合運営の退職代行なら対応可能です。
Q: 失業保険は何日分もらえますか?
A: 所定給付日数は、自己都合退職で90〜150日、倒産・解雇など会社都合の離職で90〜330日です。雇用保険に入っていた期間と離職時の年齢、離職理由で決まります。受給できる期間は原則、離職日の翌日から1年間です。
★ まとめ|引き上げを味方に、退職前の準備で損なく受け取ろう
2026年8月1日から、失業保険の基本手当日額は全年齢で引き上げられました。上限額は45〜59歳で9,110円、下限額は全年齢で2,562円です。金額は離職前6か月の賃金で決まるため、給与明細の保管と未払い賃金の精算が、受け取れる額を左右します。
受給の条件や期限は変わっていません。離職票を受け取ったら早めにハローワークで手続きし、離職理由の記載も必ず確認してください。
制度が良くなった今こそ、慌てず準備して退職する好機です。失業保険のことも含めて、まずは状況をお聞かせください。
退職の切り出しや離職票の発行・未払い給与の交渉にお悩みなら、まずはご相談ください。
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